着物や帯の模様として受け継がれている技法の一つである刺繍。
中国から受け継がれている三大刺繍が有名ですね。
芸術的な作品とも言える技法ですので、多くの方から愛されています。
私も、三大刺繍の着物ばかり集めてしまうくらい魅了しています！
なぜここまで、多くの方から愛されているのか中国の三大刺繍について詳しく紹介していきますね！！
中国三大刺繍の種類は何があるの？
中国三大刺繍は以下の3種類のことを指します。
・汕頭（すわとう）刺繍
・相良（さがら）刺繍
・蘇州（そしゅう）刺繍
中国から来た刺繍ですので、刺繍の名前が日本ではあまり聞きなれない言葉ですね。
「汕頭」なんて最初は全く読めませんでした。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
汕頭（すわとう）刺繍とは
汕頭刺繍は写真でもお分かりいただける様に穴が空いています。
この刺繍は、手作業で何度も糸針を刺して小さな穴を開けて模様を作る技法です。
中国広東省の汕頭で始まった刺繍のようで、「汕頭刺繍」と名付けられたそうです。
針・糸・ハサミだけを使って汕頭刺繍を作っているそうです。
汕頭刺繍は着物だけでなく、洋服や他の布製品でも見かける刺繍ですね！
ヨーロッパの上流階級の婦人たちの間でも大人気になったそうです！
その理由が分かるくらい、本当素敵ですね。
汕頭刺繍の特徴
汕頭刺繍の最大の特徴は、穴が模様のようにあいており、柄を出しています。
昔は手作業で汕頭刺繍をしていましたが、ものすごく時間を要するのは想像頂けるかと思います。
刺繍職人も今では少なくなっているようですので、今はほとんどが機械による刺繍が多くなっています。
ですので、手作業による汕頭刺繍の着物を見つけたら、とても貴重な物ですし、お値段もそれなりになりますね！！
手作業による刺繍のものと機械による刺繍のものでは、一体何が違うの？とよく聞かれますが・・・
オーラが違うんです！！
上手く説明できないのですが、機械だと完璧に綺麗すぎて淡々とした雰囲気の様で、一方、手作業の刺繍は職人さんの温もりが感じ取れる情緒ある雰囲気なのです。
相良（さがら）刺繍とは
お写真でお分かりいただける様に粒々が模様になっています。
この刺繍は、生地に糸を通して結び玉を作り、その結び玉で模様を作る技法です。
「玉縫い」とも呼ばれる刺繍です。
こちらも汕頭刺繍同様に、大変な手間と時間が要することは想像頂けるかと思います。
可愛らしい雰囲気になりますね。
相良刺繍の特徴
結び玉で模様を作るので、糸が引っかかりにくく他の汕頭刺繍・蘇州刺繍より丈夫なのが特徴です。
また立体的な仕上がりになり、上品な雰囲気になるのも特徴です。
その為、婚礼衣装で相良刺繍を施された衣装をよく見かけます。
玉結びが縁を結ぶとして、縁起が良いものとされているのもあるのでしょうね！！
また仏像の頭の部分、羅仏（らほつ）という巻き毛にも相良刺繍の技法が使用されていたそうですよ！
これもまた縁起が良いですね！！
相良刺繍もとても上品で落ち着いた風合いなので魅力的な刺繍の一つです！
大切な行事の時には是非、相良刺繍のアイテムを持って出かけたいですね。
蘇州（そしゅう）刺繍とは
この刺繍は、細い糸を縫い重ねて模様を作る技法です。
中国江蘇省の蘇州で始まった刺繍のようで「蘇州刺繍」と名付けられました。
髪の毛よりも細い絹の糸を使って、盛り上がらない様に刺繍をします。
その為、写真でもお分かり頂けるように、艶感が出てとても高級な雰囲気になります。
蘇州刺繍は一般的に言われている「刺繍」の様ですが、髪の毛よりも細い糸を使用しての刺繍になりますので、職人技が必要とします。
着物以外のアイテムで蘇州刺繍を使われているのはチャイナドレスをよく見かけます。
蘇州刺繍の特徴
細い糸使い、盛り上がらないように刺繍をする為、平面的な仕上がりになるのが特徴です。
一般的に刺繍と聞くとこちらの蘇州刺繍を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
蘇州刺繍は絹１００%の糸で施すので、汕頭刺繍・相良刺繍とはまた違った雰囲気があって、艶を感じる美しい仕上がりになりますね。
こちらも、手作業ですと大変な時間がかかります。現代は機械を使用した蘇州刺繍が多いようです。
中国三大刺繍のまとめ
いかがでしたか？
中国三大刺繍である汕頭刺繍・相良刺繍・蘇州刺繍が何故多くの方から愛されているのか理由がお分かり頂けたかと思います。
手作業の刺繍はその職人の温かみや優しさや柔らかさがその刺繍から感じられ、それらがオーラとして放たれます。
心が奪われてしまうのも分かります。着物というより一つの芸術作品とも言えますね！
しかし、手作業の刺繍は手間や時間がかかる分コストがかかりますので、機械で作られた刺繍でも私は十分に素敵な風合いを感じることはできると思っています。
楽しく賢く着物に慣れ親しんで欲しいと思います！！